高低差に富んだ地形が特徴である計画地に建つ定員110名の保育所型認定こども園です。周辺の地形とシンクロするような丘状の断面構成とし、周辺に肩を下ろすような寄棟形式の大屋根の下に森のような大らかなオープンスペースとして空間化しました。1階と2階を繋ぐ階段状の丘のひろば、2階に、杉無垢材の勾配天井と樹木のような鉄骨構造体現しの大空間である森のひろばを配置し、空のひろばである外部テラスと一体的な活動空間を形成しています。主たる保育室を配置した1階の中廊下は空気が滞留しやすいため、上部に自然換気塔を設け、園内の騒音を外部に漏らしにくい状態としながら重力換気による健やかな風の流れを誘導しました。また積極的な地域との対話のために敷地内に通り抜け動線を設けるとともに、動線に面した地域開放防音室を趣味の活動の場として提供しています。

 

建築意匠+総合設計監理:ケミカルデザイン

意匠設計協力、監理協力:廣瀬隆志建築設計事務所

構造設計:田中哲也建築構造計画

設備設計:Y.M.O.合同会社、設備設計桜組

 

 名称    上大崎の保育園

 所在地   東京都品川区

 主用途     保育所

 竣工      2023年3月

 面積      847.08m2

 構造      S

 階数        地上2階

 写真撮影  石田篤写真事務所 石田篤

 

 2023年度グッドデザイン賞を受賞しました

 下記URLをご参照下さい

https://www.g-mark.org/gallery/winners/20096?companies=095901fb-ce6a-4f53-b32b-619b41867597

 

 2023年度キッズデザイン賞を受賞しました

 

 下記URLをご参照下さい

https://kidsdesignaward.jp/search/detail_230335

 

 


建物の中心的空間であり、1階と2階を繋ぐ大階段状の「丘のひろば」

 


杉無垢板を用いた勾配天井が、おおらかに空間全体を包み込む

 

近隣に開かれた通り抜け動線に面したエントランスとアイストップとなる木外壁


樹々のような構造体と果実のような照明からなる「森のひろば」

 

森のひろばに面した屋上テラス