高密な低層住宅地に建つ定員76名の保育所です。周辺に対して開放的な設えが難しい状況下で、外部へ閉じ過ぎずに如何に健やかな空間を創り出すかが重要な課題となりました。戸建て住宅のスケールになじませるように建物を分節することで、圧迫感を軽減すると同時に、建物の分節がもたらす内外部の吹き抜けや屋外テラスによって、立体的な回遊性や場の多様性を生み出します。さらには、奥行きある平面の隅々まで自然採光や自然通風をもたらしつつ、園児の知的好奇心を誘発する透明性が高い空間構成としました。近隣に対する配慮から軒高は最低限に抑える一方で、平面の中央では屋根を高く持ち上げ、ハイサイドライトを効果的に設置しました。当該部に組み込んだ換気窓は、無風時においても重力差換気を誘引し、コロナ禍においても十分な自然換気を可能としています。
建築意匠+総合設計監理:ケミカルデザイン
意匠設計協力、監理協力:廣瀬隆志建築設計事務所
構造設計:田中哲也建築構造計画
設備設計:Y.M.O.合同会社、設備設計桜組
施工:アーキデザイン
名称 阿佐ヶ谷の保育園
所在地 東京都杉並区
主用途 保育所
竣工 2022年3月
面積 595.16m2
構造 S
階数 地上2階
写真撮影 石田篤写真事務所 石田篤
2022年度グッドデザイン賞を受賞しました
下記URLをご参照下さい
2022年度キッズデザイン賞を受賞しました
下記URLをご参照下さい
光と自然素材に包まれ、園児の活動の中心となるピアッツァとステップひろば
周辺住宅群の建物スケール感に合わせた分節配置
居場所をつくり、光と風を取り込む「風車型配置」
建物中央の階段に観客席や読書コーナーを併設したステップひろば
周辺との見合いを避けながら視界を開く、ハイサイドライトとコーナーウィンドウ
周辺の建物スケールへ分節した外観ボリューム