築100年以上の歴史ある古民家である母屋の敷地奥に建つ「はなれ」です。敷地の残された部分に応じて自ずと形作られた南北に細長い平面に対し、母屋南にある庭園に面した位置にリビングを、北側1階に寝室と水廻りを、北側2階にはフリースペースを計画しました。既存の母屋には多くの蔵書や趣味の品が多数あり、それらをディスプレイするための棚を南北に長い壁面全体に計画しました。屋根の扁平梁と棚板を似たスケールで共存させることで、建物全体としての統一感を生み出しています。 1.5層分の高さを備えたリビングの上部にある屋上テラスへの出入り口部分は階段室を兼ねた吹抜けとなり、中間期や夏には熱溜まりとなることで効果的に自然通風を促進します。冬には溜まった暖気を回収して1階床から吹き出すことで、暖房空気の循環を図っています。同時に、平面中央を明るくする光井戸として機能します。
建築意匠+総合設計監理:ケミカルデザイン
意匠設計協力、監理協力:廣瀬隆志建築設計事務所
構造設計:MAY設計事務所
設備設計アドバイザー:Y.M.O.合同会社
施工:金沢工務店
名称 新河岸のはなれ
所在地 埼玉県川越市
竣工 2024年6月
床面積 72.43㎡
構造 木造
階数 2階建て
生産緑地である計画地西側からの強烈な西日対策としてのモノリシックなファサード
平面の長手方向へ、かつ階段室吹抜を介して二階まで連続する棚板
奥行を活かして拡がりを感じさせる空間構成
近似スケールの扁平梁と棚板が直交に拡がる構成
ブリティッシュグリーンのアクセントウォール
2階のフリースペース
高天井となるリビングの上部には屋上テラスを設置
2階のフリースペース